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- 樋口真嗣(映画監督) 粘土でつくった「ゴジラ」で出世
粘土でつくった「ゴジラ」で出世
アニメーターから特撮監督、長編実写映画監督へと、映画界で躍進を続けている樋口真嗣監督。まもなく公開される最新作は、黒沢明監督作品を現代版として作り上げた『隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS』。
興味や趣味を深く追い続けながらも、関わった仕事のひとつひとつを確実にキャリアとして積み上げてきた。これまでの過程や経験に対する姿勢、キャリアアップについてお伺いしました!
高校生の頃、東宝撮影所でアルバイトを始めた。最初は特殊効果用の火薬の配線を担当。その後、ゴジラシリーズの美術として有名な井上泰幸氏の部屋の掃除と身の回りの世話の担当となった。
そこには特撮の際に使うセット模型が置かれていた。ステージの中に建てるビルや、登場するゴジラの大きさをイメージするためのものだった。これが『ゴジラ』('84)の造形助手を務めるきっかけとなった。
「ゴジラは板の塊みたいなので作られてあって。これじゃ、わかりにくいなと思って、空き時間に粘土をこねくり回してゴジラの造形をつくって置いておいたんです」
それを見たスタッフが、誰がつくったのか尋ねてきた。出来映えを評価され、造形部へ配属。1984年の『ゴジラ』で造形助手として作品初参加を果たした。
「特殊な技術を身につけていたわけではありません。ただ本当に好きだっただけで、見よう見まねでつくったものを評価してもらったんです。たぶん、第一線で活躍している非常にレベルの高い人たちに囲まれていたから、自然と刺激されていたんだと思います」
高校を卒業した19歳の頃、ひとつの転機が訪れた。ある上映会に誘われ、大阪まで観に行ったことがきっかけとなった。「DAICON FILM」という自主映画集団の上映会で、作品の質の高さと革新的な活動で噂となっていた。そこで、後にアニメーション制作会社・ガイナックスを誕生させた岡田斗司夫、庵野秀明らと出会った。
「自主映画の制作環境は、これまで自分が見てきた大きな予算でつくる映画とは全く違いました。予算のない中でのマンパワー、つくりたいものに対する熱意、そしてみな独学で身に付けた技術を駆使して作品をつくっていた。そのレベルの高さに衝撃を受けました」
東宝撮影所を辞め、アニメーション制作会社・ガイナックスへ参加。そこには第一線で活躍する人たちが集まっていた。『新世紀エヴァンゲリオン』のキャラクターデザインで有名な貞本義行や、『天空の城ラピュタ』の原画や『アニマトリクス』の監督で知られる前田真宏、そして『THE IDOLM@STER』のキャラクターデザインを手掛けた窪岡俊之たちが揃っていた。
「周りがみんなすごい人たちだったから、自分も絵が描けるなんて恥ずかしくて言えない環境でしたね。けれども、アニメの制作会社に入った以上描かなくちゃならなくて。絵の上手い人たちの間で追いつこうと、とにかく必死でした。彼らにひっぱられて自分も絵コンテを描くスキルが上達していったんです。」







